受験生は夏期講習が終わり、いよいよ受験校を決定するテストが続く秋を迎えます。

この時期に生徒達が受けるテストは定期テストが２回、中学生チャレンジテストが1回、実力テストが３回、模擬試験が3回の合計9回。そして、更に英検。生徒達にはどれも大切なテストであり、その結果によって気持ちもアップダウンする、受験においては最もナーバスになる季節です。

しかも、皆さんがご存じの通り子供達は、今まさに自立し大人から子供になろうと葛藤している成長期の真只中。様子も知りたい、進路の話もある、でも子供達はいつもイライラしていてコミュニケーションが上手く取れない状況かもしれません。

今回は、保護者の方がこの時期の子供達に対して、過干渉でも放任でもない適度な距離を保ちながらサポートするための5つのポイントを書かせていただきたいと思います。宜しければ参考にしてください。

ポイント1　継続的に声かけをする

「おはよう。」「最近どう?」日によって返事を億劫がるときもあるかもしれませんし、無視されることもあるかもしれません。しかし、必ず何らかのリアクションが返ってきます。保護者の方は生まれた時から誰よりも子供達をずっと見てきています。彼らのリアクションの僅かな違いで、「今日はしんどそうだな」「学校で何かあったのかな」と多くのことを感じ取ることができます。そして、何よりも子供達は声をかけてもらうことで、自分の事を気にかけてくれているという愛情を感じ取ることができます。

ポイント2　子供を一人の人として目線を合わせて接する

秋は12月の三者懇談に向かって、親子で進路について話す時間を持つ必要があります。この時に注意していただきたいことが、子供を一人の人として目線を合わせて話すことです。この時期の子供達は、自分の考えを持ち、頭ごなしに命令されると反発します。しかし、その反面、孤独も感じやすい面もあります。どんなに子供達が難しい時期であっても腫れ物扱いをせず、言うべきことは人生の先輩として言ってあげてください。そして、子供達の言い分にも誠実に耳を傾けてあげてください。

ポイント3　スマホはルールを決めて付き合う

今の子供達は勉強の合間にスマホのゲームやユーチューブ、LINEなどをすることが多いようです。朝から学校に行き、夜は遅くまで塾に行っているのですから息抜きをするのは構いません。しかし、この時期にそれらに没頭しすぎるのは危険です。このような場合は、スマホを禁止するのではなく、時間を決める、部屋にスマホは持ち込まないなど「ルール」を決め付き合い方を覚えさせるようにしてください。

ポイント4　食事・睡眠をしっかり取らせる

秋の子供達は、クラブを引退し生活リズムが変わることで、体調を崩し風邪などを引きやすくなります。このことにはテスト勉強が続くことで生活が夜型になることも少なからず影響しているように思います。テストが過密になる10月・11月に体調を崩し2，3日休むとスケジュールが大きくずれてしまい、焦りに繋がってしまうケースもあります。しっかり食べてしっかり寝る。頑張りすぎて無理をしやすい時期でもありますので、体調管理は意識してあげてください。コロナ、インフルエンザなどの感染症にもくれぐれもご注意ください。

5その他　

受験生達との話の中で、親にしてもらって嬉しいことで良く出てくるのが「お風呂を先に入れてくれる」「好きなお菓子を買ってくれている」でした。子供達はこのようなことを通じて、気にかけてくれているという気持ちを喜んでいるのだと思います。

思春期の中、受験という試練に立ち向かい自立に向かう我が子に親ができることは

「見守り示唆を与えながら陰で支える」ことしかありません。

中には、常にイライラし、親に反抗的な子供達もいるかも知れません。でも、受験が終わると子供達は一気に自分の世界を広げ、もうその世界を親は一緒に見ることはできなくなります。もしかしたら高校受験は親子で取り組める最後の共同作業かも知れません。受験が終われば、イライラしているその姿が愛おしい思い出の1ページに変わります。

子供達の受験に寄り添えるのは今しかありません。ここから寒さが厳しくなると共に子供達の受験へのプレッシャーは強くなっていきます。その時、子供達に勇気を与え、力強く支えてくれるのは、保護者の温かな見守りです。そして、それこそが自立のパワーになります。

いよいよ、受験も佳境を迎えます。困ったこと、分からないことがあれば何でも仰ってください。来年の春を全員が笑顔で迎えられるように、私達スタッフも精一杯、生徒達と保護者の皆様をサポートしてまいります。

<塾長　高木秀章>