川西先生が夏から悪性リンパ腫になり、その兼ね合いで今福教室の指導スタッフの入れ替えが起きました。今福教室の皆さんには多大なご迷惑をおかけしていますが、スタッフみんなで川西先生の分も頑張ろうと力を合わせています。

今、このタイミングで川西先生の病状をお話しするのは、抗がん剤投与が終わり治療が一段落着いてからという本人の意向があったためです。最初、川西先生から病気の話を聞いた時は驚きましたが、本当に彼らしく何事にも動じず淡々と治療を受け、みんなに迷惑をかけないようにギリギリまで働き、抗がん剤治療になってからも、抵抗力が下がるため生徒の皆さんの前には出ませんでしたが、「働いている方が気持ちが楽」とバックヤードで仕事をしてくれています。不安な顔を見せず、泣き言も言わず、すべきことを淡々とする。彼は根性があることは昔から知っていましたが、改めて「すごい人だな」と思わされています。

私もそのような事情で週に1回ですが、今福の中3生の授業に入らせていただいています。最初の授業をして、今福の先生達に言った一言は「すげえな」でした。生徒達は学習に必要な姿勢ができていて、きちんと質問ができる。そして、その質問が的確。しかも、思春期にありがちなシレッ～とした感じが一切ない。私のしょうもない話を笑って盛り上げてくれます。これは、私立の中高一貫の進学校で長年の指導経験のある桔梗原先生も、ここの子供達は態度が本当に素晴らしいとおっしゃっていますので、全くその通りだと思います。

これはきっとカイチのどの教室でも言えることですが、冷めて無気力の子が多いと言われるこの世の中で、よくこんな子たちが集まってくれているなと思います。

この記事を受験生の皆さんが読んでいる頃は、11月12日の五ツ木模試直前か終わった後で、期末テスト対策に追い込まれまくっている時期だと思います。他教科も含まれるテストですから一切手を抜くことができません。みんな連日のテスト、テストで少し疲れているかもしれません。塾から帰る時には、外はすっかり寒くなって、その寒さがみんなの不安を一層かりたてるかもしれません。

ここで、皆さんに不安の解消法を教えたいと思います。それは、不安に思うならそのことと向き合い行動することです。川西先生は大病を患ったことを嘆くのではなく、自分の気持ちを切り替えて、回復のためにすべきことを淡々とやり続けています。それでも不安な気持ちに襲われるなら、職場に出てきて迷惑をかけている職場の人達を助けようと粛々と働いています。彼は、きっと今までの人生の中で不安の解消の仕方を知っているのだと思います。不安なら、そのことから逃げずに向き合うということを。

皆さんも同じです。志望校に合格できるのか?そもそも志望校を受験できるのか?と不安に思うなら、自分のすべきことを明確にして粛々と努力をしてください。そして1日、自分のすべきことをやったなら、自分に「よく頑張った!」と声をかけてぐっすり眠ってください。

1人で不安ならば、塾の自習室に来てください。自習室なら音楽も聴けないしYouTubeも見られないし、お菓子を食べることもできない。それになにより、先生達を捕まえて質問や作問ができます。

「今日も自分として頑張った」「今日も自分として頑張った」「今日も自分として・・・」。そのような、自分と向き合い努力する日々を丁寧に重ねる中で、静かな充実感が皆さんの中で沸いてきます。そして、その努力はやがて「やれる」という静かな自信に変わっていきます。

受験生との三者面談では、志望校を受験するかワンランク下げて安全校にするかという決断を皆さんに迫る場面があります。不合格のリスクを飲み込んで第一志望校を勝負するか。リスクを回避して安全校を受験するか。どちらが正解でも間違いでもありません。でも、皆さんには何らかの覚悟を決める時が12月の三者懇談会の時には来ます。その覚悟を左右するのは、自分とどれだけ向き合って頑張ってきたかです。

私は、本気の覚悟を決めた皆さんの凛とした顔が大好きです。希望や不安を飲み込んで、自分で自分の進む道を決めた皆さんの顔を見た時、また一つ大人になったと感じます。

みんなは羨ましくなるぐらい若くて元気に溢れています。今は、その若さと元気を前に進むエネルギーに変えてください。できる努力を全てやる。不安になったら、その不安すらも糧にして前に進んでください。そして、悔いの残らない本気の覚悟を持って進路を決めてください。

私達はあなた達を全力でサポートします。受験を通して、精一杯頑張ったことは必ず、自分は頑張れる人間なんだという自信と共に、すばらしい思い出になります。桜の花が咲く頃にはみんなで笑えるように、まさに正念場の「今ここ」を頑張り抜きましょう。(塾長 高木秀章)