新しい1年 新しい一歩
こんにちは。古市教室の高木奈穂子です。
久しぶりにこの欄を担当するということで、前回に続き、趣味である登山のお話を書こうと思います。
仕事がお休みの日には、一人でも山へ出かけてしまうほど登山に夢中なのですが、我が家の登山部(私と夫、たまに次男)では、昨年度ひとつのテーマを掲げて活動してきました。
それは「毎月、家族の誰かがまだ登ったことのない山へ行く」というものです。
1月は滋賀県の金勝アルプス、2月は兵庫県の須磨アルプス、3月は雪の残る京都府の愛宕山、4月の春期休暇には鹿児島県の屋久島へ。そして5月は、三重県の大杉谷から大台ケ原へ向かうルートに挑戦しました。
このあとも毎月、新しい山に挑戦し続けているのですが、今回はこの大杉谷の体験を少し詳しく書こうと思います。
大杉谷は、富山県の黒部峡谷、新潟県の清津峡と並ぶ「日本三大渓谷」のひとつです。しかし「大杉谷」と聞いてピンとくる人は、意外と少ないかもしれません。では「大台ケ原」はどうでしょう。地理に詳しい方なら「日本でも有数の多雨地域」と思い浮かべるかもしれませんね。ドライブウェイ(冬期は通行止め)が通っているため、観光で訪れたことのある方もいるかもしれません。
もちろん今回は登山ですから、車ではなく、1泊分の荷物を詰めた重たいザックを背負い、一歩ずつ自分の足で進んでいきます。
スタート地点の大杉谷登山センターを出発し、いよいよ大台ケ原
へ向けて歩き始めます。渓谷沿いの登山道は足場が狭く、右手で鎖をつかみながら慎重に進むスリリングな道のり。うっかり足を滑らせれば谷底へ…という箇所もあります。川沿いを進みながら徐々に高度を上げ、いくつもの吊り橋を渡ってたどり着くのが、宿泊地の「桃ノ木山の家」です。
ここには温かい夕食とお風呂(川沿いのため水源が確保できる)、そして布団があります。しかし、無いものもあります。テレビは無く、スマホも圏外。さらに消灯は午後8時。夕方前に到着し、早めの夕食を済ませているので、時間がたっぷり余ります。
それでも、他の登山客と話したり、外の景色を眺めたりしているうちに、不自由さがだんだんと「贅沢な時間」に変わっていくから不思議です。
消灯後は真っ暗で、聞こえるのは川の流れる音だけ。5月末とはいえ大阪市内とは比べものにならないほど寒く、防寒着は自分で用意しなければなりません。暗がりの中でトイレに行くにはヘッドライトが必要になるなど、こうした環境では「準備を整えること」の大切さを改めて感じます。
翌朝。早朝に大台ケ原・日出ヶ岳を目指して出発します。川沿いを進み、いくつもの急登を越え、滝を横目に歩いていくと、目の前には息をのむほどの絶景が広がっていました。
その景色は、自分の足で歩いてきたからこそ出会えたもの。写真や画面の中で憧れていた光景が、そこに実際に広がっていたのです。
いよいよ新しい年が始まります。春には新生活を迎える人もいますよね。
この節目をきっかけに、興味のあることや、やってみたかったことを始めてみるのも良いかもしれません。少しずつでも歩みを進めれば、思いがけない景色がきっと広がっているはずです。
景色がそこには広がっているかもしれません。<古市教室 高木奈穂子>