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主要都道府県の入試傾向について

初めまして。開智総合学院塾長の高木秀章です。

2020年の大学入試制度変更に伴い、公立入試制度が大きく変わりました。
これまでの教育制度変更の変遷から考えて、今回の変更は、30年は続く大転換と考えられます。

概要を一言で表すと、「知能偏重から知恵を求める学力」への転換となります。
従来の入試は、知識に偏重し知能を求める傾向でしたが、今後は、知識をいかに活用し問題を解決するかという知恵を求めています。(直近の全国学力調査問題もこの傾向です)

全国的にはこのような入試問題の変化は10年前から始まっており、すでに、東京都のトップ7校の推薦入試では、新聞記事や様々なグラフより自分の意見を述べる総合型、神奈川では教科の枠を取り払った問題である合教科型の問題が出題され、大阪でも平成28年度入試では、国語・英語の中で非常に難易度の高い活用型問題が出題され、テストの出来不出来を大きく左右しました。

下記は、当塾で今後の指導に役立てるために調べた主要都道府県の入試問題傾向です。これらの資料を見ていくと、活用型問題の出題傾向の高まりが全国的なものであり、それらへの対応が高校入試だけでなく、大学入試を考える上でも重要になることがお分かりになると思います。是非ご一読ください。

開智総合学院塾長 高木秀章

主要都道府県の入試傾向について

1.入試問題において活用型問題の出題割合が増加してきた時期

「活用力」とは主として「知識・技能等を実社会や実生活の様々な場面に活用する力や、様々な課題解決のための構想を立て実践し評価・改善する力」と文部科学省が定義しております。
では、具体的にどのような問題が「活用力を問う問題」かと言いますと、以下の3つに分類できます。

1 教科型 特定の教科・科目における、主に「学習内容」や「学習活動」に関わる事項について出題するもの。各教科・科目における知識・技能を当該教科・科目の文脈で適切に活用できるか等について問うものが該当する。
2 合教科・科目型 ある教科・科目における「学習内容」や「学習活動」に関する課題について、他教科、他科目の「学習内容」や「学習活動」を用いて解決すべき内容を問う出題(例:社会のグラフや資料読み取り問題において数学の知識を必要とする問題)
3 総合型 特定の教科・科目の枠を超えた課題について、他教科・他科目で身につけた知識・技能等を関連付け、これらを総合的に活用することにより解決すべき内容を問う出題(例:「環境の問題に関して、具体的な例を上げながら「環境の問題」と自分自身の関わりについて、自分の考えを書かせるような問題)。

(文部科学省 高大接続特別部会第16回配布資料 引用)

上記のように「活用力を問う問題」は3つに分類されますが、今までの入試ではグラフや資料の読み取り問題が社会科で出題されていただけでした。しかし、学習指導要領改定があった平成24年以降、従来の記述問題では見られなかった「分析力・思考力・表現力」を要する記述問題が増加しました。
国語や社会の記述問題だけでなく、数学でも単なる証明問題ではなく、概念を言葉で説明するような出題があり、記述問題の質が変化している傾向があります。
全国的に「活用力を問う問題」の出題が増加していますが、「活用力を問う問題」はほぼ全都道府県で正答率が低いのが現状です。

2.主要都道府県の入試傾向

① 北海道
平成21年度より、英語、数学、国語の入試問題について、標準問題と裁量問題の2種類の問題作成がスタートしました。裁量問題は標準問題では計ることができなかったトップレベルの子供達の学力をきちんと計るためにできたものです。
裁量問題が導入されて以降、国語は年々選択問題が減り、記述問題が増えています。
平成24年以降に記述問題は15字程度の問題から80字程度までの問題が出題されており、選択肢を選ぶ問題は2題まで減少しました。
以下、平成27年度の入試問題(裁量問題)のレベル分けになります。

英語 国語 数学
Sレベル 0% 0% 6.60%
Aレベル 37.50% 5% 21.70%
Bレベル 62.50% 55% 71.70%

英語、国語、数学、全てにおいて難易度が高い問題は少なく、上位層の生徒にとってみれば、
1問のミスが致命的なミスになり兼ねない入試となっています。

② 宮城県
学力調査問題のような身近な素材を扱って、問題が作成されています。国語では中学校で実施されるバレーボール大会のアナウンスをすることになり、メモと学校の配置図を元にアナウンス原稿の一部を作成する問題や、数学では身近な素材を扱った関数の問題が出題されています。
実験や観察を題材にした問題ですが、思考力を問う文章記述問題や社会でも資料やグラフの読み取り問題が多く出題されています。
この傾向は昔からありましたが、学力調査が始まった平成19年度以降にこのような問題の出題が始まり、平成24年度から増加しました。ただ、問題の全体的なレベルはそれほど高くはありません。
以下、平成26年度の入試問題(後期問題)のレベル分けになります。

英語 国語 数学
Sレベル 0% 0% 5%
Aレベル 23.7% 30% 14%
Bレベル 76.3% 70% 81%

北海道と同様、英語、国語、数学、全てにおいて難易度が高い問題は少なく、上位層の生徒にとって
みれば、1問のミスが致命的なミスになり兼ねない入試となっています。

③ 東京都
石原都政で平成13年に都立高校の改革が実施され、トップ7校(日比谷、都立西、国立など)では独自問題を作成することになりました。独自問題(英語、数学、国語)は全てが難易度の高い問題で構成されており、活用力を問うような問題は出ていません。ただ、小論文の問題では思考力、表現力などを問う問題が出題されていました。
平成26年より独自問題が廃止になり、トップ7校でグループ作成(各教科1題だけ独自作成をしていい)と言う形になりました。グループ作成になってから、記述問題が多くなったのが特徴です。
国語では250字程度の記述問題の出題があり、英語の長文は約600語の超長文読解、社会、理科でも資料や表の読み取り問題で記述させる問題が多く出題されており、分析力、要約力が問われる問題となっております。問題の全体的なレベルは埼玉、神奈川に並び全国でもトップクラスだといえます。
平成28年度より、入試制度改革があり「活用力を問う」と明確に伝えているので、出題は増えていくと思います。
以下、平成27年度の入試問題(日比谷高校)のレベル分けになります。

英語 国語 数学
Sレベル 60% 28% 34%
Aレベル 30% 64% 17%
Bレベル 10% 8% 49%

この問題レベルで正答率が6割5分を超えないとトップ7校の合格は難しいことからも、かなりの学力が必要となることがわかります。
平成28年度入試より大阪でも英語、数学、国語の問題が3つのレベルに分かれていますが、発展的内容の問題では同レベルの問題も出題されています。


④ 愛知県
愛知県では独自の「群、グループ分け」という制度があり、事前に各高校が群、グループ分けされ、それぞれ異なる入試問題で入試を実施してきました。
入試問題に関しては他府県と違い、今まであまり大きな変化がない県でした。国語は字数の多い記述式問題が1問出るだけで、選択式の問題の出題がほとんどとなっております。活用力を問うような問題は理科と社会ぐらいでした。
しかし、現在入試制度改革が進んでおり、平成29年度の入試問題より活用力を問う問題を増やしていくということです。
以下、平成27年度の入試問題(B問題)のレベル分けになります。

英語 国語 数学
Sレベル 0% 0% 0%
Aレベル 33.3% 5.3% 4.8%
Bレベル 66.7% 94.7% 95.2%

基本的な問題ばかりで難易度の高い問題はありません。愛知県の入試制度は内申点と当日のテストの割合が5:5もしくは4:6でほぼ内申点で公立高校が決定してしまうと言われています。
トップ校に合格するためには93%の正答率が必要でミスが許されない入試だということができます。

⑤ 京都府
京都府では毎年、入試問題の出題意図を発表しており、平成23年度以降は常に活用力を見ていると発表しています。そして、平成25年度までは全体的に「論理的思考力、判断力」を問う問題としているのが、平成26年からは「論理的思考力、判断力、表現力」と出題意図が変わっており、記述問題が増えている傾向にあります。特に理科や社会では資料や表の読み取り問題で記述させる問題が多く出題されています。
以下、平成27年度の入試問題(前期問題)のレベル分けになります。

英語 国語 数学
Sレベル 0% 0% 0%
Aレベル 48.7% 26% 16%
Bレベル 51.3% 74% 84%

英語、国語、数学、全てにおいて難易度が高い問題は少なく、上位層の生徒にとってみれば、
1問のミスが致命的なミスになり兼ねない入試となっています。

⑥ 福岡県
傾向として、他府県と比べても全教科において記述問題が多いのが特徴です。活用力を問う問題は平成24年度より理科、社会を中心にどの教科でも出題されていましたが、平成27年度入試より各教科、増加しています。特に国語の作文が今までにないグラフ読み取り型の作文に変わりました。(昨年度まではテーマに沿って書く作文でした)今後もこの傾向は続いていくと思われます。
以下、平成27年度の入試問題(前期問題)のレベル分けになります。

英語 国語 数学
Sレベル 13.3% 11.7% 0%
Aレベル 42.2% 30% 17.8%
Bレベル 44.5% 58.3% 82.2%

英語の難易度が高く、他教科と一線を画しています。国語の難易度は標準的で、数学の難易度は高く
ありません。英語以外の教科でしっかり点数を確保し、英語は取れるところでしっかり点数を稼ぐ
ことが大事だといえます。

⑦ 大阪府
大阪府の入試問題も活用力を問うような問題は少ないのが現状です。数学の証明問題で質的変化が見られ、英語では英作文でグラフを読み取り、自分の意見を書かせる問題などが活用力を問うような問題です。
しかし、数学で指導要領の改訂で2011年より「資料の活用」の単元が入り、全国的に多く出題がなされているにも関わらず、出題が全国で一番少なく、愛知県同様、理科と社会ぐらいしか活用力を問うような問題がないのが現状です。
また、他府県では合教科的問題、活用力を正面から問う問題が公立トップ校で出題されていますが、大阪で活用力を正面から問う「情報活用力検査」を入試で実施しているのが大阪教育センター付属高校の1校だけです。
平成28年度入試より、入試制度が変わるので、来年度以降増加していくと思われます。
以下、平成27年度の入試問題(後期B問題)のレベル分けになります。

英語 国語 数学
Sレベル 16.7% 0% 36%
Aレベル 35% 32.7% 17%
Bレベル 49.3% 67.3% 47%

英語と数学についてはA問題とB問題の2種類が作成されており、難易度の高いSレベルの問題が
出題されており、Sレベルの問題をいかに解答するかがトップ校合格への鍵となります。
来年度より英語、数学、国語の3科目で3種類の問題が作成されることから、発展的内容の問題では
現問題よりもSレベルの出題は増加すると思われます。

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