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2017年度の公立高校入試について

【全体総評】
2018年度の入試の難易度は前年度入試と比較し、総合的に見て問題は難化したと言えます。理由は次の通りです。
①英語の出題形式が大きく変更になったこと

②数学については、出題形式は変わらなかったものの、過去問とは違った切り口で出題されたことにより、難易度が上昇

③理科、社会の問題量の増加

④各教科、記述問題、活用型問題の増加

以下で科目ごとの講評を述べたいと思います。

【英語】
大阪府教育委員会が発表していたサンプル問題通り、A,B問題の出題形式は従来と変わらずでしたが、
最も難しい問題は、大幅な変更となりました。主な変更点は、次の通りです。

①リスニング問題の増加…時間が15分から
25分に増やされ、内容、配点ともに大幅な増加となりました。
右はリスニングPartの問題です。リーディング、リスニング、ライティングの3技能が高いレベルで必要とされる問題です。1日
10分程度の短い時間でも、普段から英語を聞くことが重要だと思われます。

②大問数が3問から9問に増加…筆記の時間が40分から30分に短くなり、更に問題数が増えました。設問自体は決して難しいものではありませんが、英文の読み書きのスピードが高いレベルで必要ですので、学校の教科書をきちんと勉強するだけでは太刀打ちできない問題となっています。

③問題文だけでなく、指示文まで全て英語
で出題

④文法問題と読解問題は全て
選択式問題

⑤英作文の40語指定の消滅…
昨年度の「第一印象の重要性
について40語で述べよ」という抽象的な問題だったのが、「列車で旅行をする場合、『各停列車』と『特急列車』のどちらを選びますか。また、その列車に乗ることによってできることを述べなさい」とテーマが具体的になったことで、書き易くなりましたが、この問題の解答に費やせる時間は5分しかなく、語数指定がなくなったことにより、一定量のまとまった文章を書かなければならないため、難問の部類に入ると考えます。

昨年までとは大きく変更になった英語の問題。8割以上の高得点を取るのは厳しい問題だと言えます。英 語力はもちろん重要ですが、解答する問題を取捨選択し戦略的に答案を作成する必要があるのではないかと考えます。

【数学】
問題構成は例年通りでしたが、難易度は高く、特に問題は最後まで解くことができた受験生はそれほど多くなかったのではないでしょうか。2つ程例を挙げます。

上は問題1の小問集合内の問題です。例年の関数ではなく整数問題で記述問題が出題されました。問題そのもの(不定方程式)は例年問われているような内容ですが、設定条件が少し複雑で、時間内に求め方も含めて解答を作成することはかなり困難です。

の証明問題は書かれていない円に気付くことができたかどうかがポイントです。そこからさらに円周角の定理を利用して証明するわけですが、気付けてなおかつ証明まで書けた生徒はごく少数だったと思われます。ちなみに図形は少し違いますが問題でも同様の証明問題が出題されていました。この問題は円の定義を確認させる問題であり、改めて基礎の大切さを思い知らされました。証明以外は作業工程が多く、速く正確に解くことが求められているのは例年通りです。
の空間図形は例年通りの難易度でした。ただ、取り出す平面が難関私立の相似問題に近く、公立の過去問を解いているだけでは厳しいと思われます。

過去問に縛られた対策だけでは対応するのは難しく、前例にとらわれず、原理原則をしっかりおさえた対策が求められ、本物の知識と思考力がますます必要となっています。
問題の難易度になると、英語同様、解ける問題を素早く選び、確実に得点できるかも重要な要素となります。

【国語】
国語は昨年と形式は変わらず、現代文2題と古文1題と漢字1題です。
昨年より文章の中に具体例や説明が多く、理解しやすい文章でした。設問も素直な問題が多く、記述問題は字数も減少し、本文をそのまま使って記述すれば得点できる問題です。抜き出し問題も、2つほど見つけにくい問題があったものの、前後の文章のつながりを理解し、本文の表現をヒントにすれば解きやすい問題だったと思います。
長文のうち1題の最後の設問が右のような作文問題です。問題は昨年と少し傾向が変わりましたが、「利点と問題点をあげて」「300字以内で自分の考えを述べる」という点では同じでした。配点が90点中20点で、10分程度で書き上げる必要があるので、ここをきちんと書けたかどうかが合否を分けたのではと思われます。
全体としては易しくなっていて、得点しやすい問題だったと思われます。

 

【社会】
例年通りの大問4題の構成でしたが、問題数は年々増加し、今年は38問でした。内訳は、地理10問、歴史17問、公民10問で、歴史の出題が多くなっています。また大問にはテーマがあり、「伊勢志摩サミット」「選挙権年齢引き下げ」の時事的要素が含まれていることも特徴です。問題の内容は下のような資料の読み取り、思考力、判断力を試す活用型問題、文章記述問題が昨年度に比べ多くなりました。
問題の難易度は昨年度に比べれば、少し上昇したものの、しっかり学習していた受験生にとっては、5教科の中では一番得点しやすい教科ではなかったかと思います。
ただし、活用型問題が増加していることから、知識を暗記する勉強だけでなく、活用型問題対策にも普段から取り組む必要があると考えます。

【理科】
大問4問で、生物、地学、物理、化学のそれぞれで大問1つを構成しているのは昨年通りで、小問の数もほぼ同じでした。問題文の総量に関しても昨年とほぼ同量ですが、昨年から文章量が増加しているため、40分の制限時間の中ですべて回答するためには、「設問を先に読み、解答に必要な情報を整理し、問題文中から探し出す」という手順に慣れておく必要があります。
設問の難易度については、昨年同様、語句や知識を問う問題から思考力を問う問題まで幅広いレベルで出題がなされています。生物分野は昨年と同じレベル、地学分野は易化、化学分野は難化、物理分野はやや難化し、全体的にはやや難化したと考えられます。
また、受験生にとって初めて目にする状況を、情報を与えて解かせる活用型・思考型問題の出題が続いており、特に化学分野では昨年に続き教科書に記載のある物質(2016年は炭酸水素ナトリウム、2017年は水酸化ナトリウム)の製造法に絡む出題がされました。水酸化ナトリウムの工業的製造法(イオン交換膜法)は高校化学の内容であり、過去に大学入試センター試験にも出題されています。(2013年度、化学Ⅰ)
今回の出題では解答に必要な情報は問題文で与えられていますが、内容や意味を理解し、更に思考する必要があるため、限られた時間内にこれを整理し解答まで導くのは、相当困難だと思われます。また水溶液の計算も、高校内容である水和物とその濃度に絡む計算問題が出題されていますが、これも受験生にとっては見慣れない問題で、処理する手順が多く、非常に難しいと思います。
このように理科については分量が増加し、問題も難化してきています。ただし用語や知識を問う基礎的な問題も多いので、まずはそこを落とすことのないように、苦手単元をなくすように学習に取り組んで欲しいと思います。

いかがでしょうか。
このような問題が受験生の皆さんの前に立ちふさがります。学校の成績でつけられる内申点も重要ですが、人気のある上位校はほとんど本番重視。このテストで高得点を叩き出し、ライバル達に勝つ必要があります。その為に、生徒の皆さんに今まず取り組んで欲しいことが、苦手科目や単元を克服すること。ご覧の通り、教科によって難易度はバラバラですが、結局は5科目の合計点数で決まります。したがって簡単な教科でつまずいてしまうと、大きく後れを取ることになります。今回であれば、国語や社会で点数を落としてしまうと、かなり不利と言わざるを得ません。日々の学校や塾の授業をしっかりと受け、質問して分からないところや苦手なところを少しずつ無くしていきましよう。
中学3年生以外の皆さんも、入試問題を履修範囲で(中1は国語だけでも)解いてみてください。自分が乗り越えるべきハードルがどれくらいなのか感じることで、日々の学習に取り組む姿勢が変わります。焦りは禁物ですが、早くスタートすればするほど、助走距離が長く、有利であることは間違いありません。
私達も入試に向けて、生徒に寄り添い、叱咤激励しながら伴走していきます。志望校に合格するのはもちろんですが、大事なのはその過程。様々な不安や焦り、苦しみにもきちんと向き合い、解決していくことで、一人の自立した人間として成長してほしいと思います。その為のサポートは惜しみません。

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